『高等小学国史新指導書』下巻

高等小学国史新指導書下巻p236~

(4)日・清・韓三国の交渉 ここにおいて清国は、東学党をすでに平らげる上は、日本の兵を撤回するのがよいことを求めた。我が国は禍根を絶つために、共に協力して朝鮮の弊制を改めるのがよいことを申し込んだが、清国は応じなかった。この上は我が国は独力…

高等小学国史新指導下巻p230~

第五十一 朝鮮の事変と明治二十七、八年戦役 学習目的 隣国朝鮮との事変から、ひいては明治二十七、八年戦役に至る次第と事実を学習させ、我が国の国家的発展について会得させ、併せて国家と国際の生活、文化と戦争などについて適切な考察を行わせる。 学習…

高等小学国史新指導書下巻p223~

p223 第五十 条約改正と法典の編纂 学習目的 明治三十二年改正条約が実施されるに至った次第と、その頃の法典編纂の進捗についてわからせ、内地外交上の顕著な発展を認知感得させるのである。 学習事項 (一)条約改正に努む 安政五年(二五一八)に条約の草…

高等小学国史新指導書 下巻p216~

(四)新しい文学・芸術起こる 明治初年の文学はただ江戸時代の余勢を保っただけで、いまだ新興文学を見ることは出来なかった。仮名垣魯文の「西洋膝栗毛」はやや有名ではあるが、これは構想を東海道中膝栗毛にとって、弥次郎兵衛・喜多ハの両人が、横浜の豪…

高等小学国史新指導書 下巻p208~

p208 第四十九 文化の発達 学習目的 維新以来の経済界・宗教界・教育界・芸術界の進歩発展の次第をわからせ、洋風輸入と国粋保存の関係的変遷につき会得させ、日本独自文化の建設について暗示を与えるのである。 学習事項 (一)経済界の進歩 明治のはじめ市…

高等小学国史新指導書 下巻p200~

p200(四)内閣の制度をはじめる 明治十五年三月天皇は伊藤博文を召され、憲法調査のため欧州派遣の詔を下されたので、博文は西園寺公望・伊藤己代治・平田東助・岩倉具定・河島醇・三好退蔵・山崎道胤・広橋賢光・吉田正春・相良頼紹・戸田氏共らを伴って、…

高等小学国史新指導書 下巻p199

p199(三)議会開設の勅を下しなさる こうしていっぱんの政治思想が進んだことにより、国会開設の準備は次第に急がれた。すなわち明治十三年十二月元老院は憲法草案を仕上げて天皇に奉呈した。しかしこれは多少英国流になり過ぎているというので、伊藤博文が…

高等小学国史の新指導書 下巻p195~

p195 第四十八 立憲政体の確立 学習目的 明治天皇はあまねく人材を挙げ、世論をとる大方針を御誓文に示しなさり、以来内治が整うにつれて、一般の政治思想も次第に進んだので、帝国憲法・皇室典範は発布され、帝国議会も開かれて短日月の間に立憲政体の擁立…

高等小学国史の指導書下巻p188

(五)新旧思想の衝突 米人スコット氏は師範学校の教師となる。ダビッド・モーレーは文部省に教育制度を制定する。教科書は米国翻訳になる。食物にしても牛肉を食うこととなる。豚肉は少し遅れて食われる。パンの食用は牛肉と相前後し西洋料理は行われる。牛…

高等小学国史の指導書下巻p186~

p186(四)社会の面目一新す 維新のはじめは東京・大阪間毎月十八回の飛脚が往復したのであったが、明治三年十二月には東海道十二藩六県に郵便箱・切手売捌所を設け、四年になると新式郵便制度をはじめ出した。六年十一月から郵便はがきを発行し、八年一月か…

『高等小学国史新指導書』下巻p184

p184(三)もろもろの制度改革される 大使が欧米に派遣されるや、数多の留学生が伴われていき、数人の少女もこれに交じった。すなわち黒田清隆の主唱によって婦人の海外留学を見るに至り、この時に後の大山内大臣夫人捨松(当時十三歳で山川建次郎氏令妹)瓜…

『高等小学国史新指導書』下巻

大松庄太郎 著『高等小学国史新指導書』下巻,東洋図書,昭和8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1447774 (参照 2024-10-07)