『高等小学国史新指導書』下巻

高等小学国史新指導書下巻p343~

第五十九 総括 国民の覚悟 学習目的 国初から現代に至るまでの国史の大略と要点を想起させ、そこに我が国の国史生活発展のあとを省み、もって今後国民が覚悟すべき点がどの辺に存在するかを会得させようとする。 学習事項 (一)我が国の国体の尊厳 我が国の…

高等小学国史新指導書下巻p333~

p333 第五十八 大正天皇の崩御 今上天皇の即位 学習目的 大正天皇崩御のことから天皇の御聖徳を偲び申し上げ、今上天皇の践祚並びに即位のことから国家的発展を認感させ、かねて聖旨によって将来国民の向かうべきところを会得させる。 学習事項 (一)大正天…

高等小学国史新指導書下巻p313~

第五十七 欧州の大戦とわが帝国の地位 学習目的 欧州大戦に加わった我が国の正義と活動について、皇太子が欧洲を巡遊しなさることがある。ワシントン会議に参加することがあって、我が国がいよいよ世界的に重きをなすに至り、戦後は外交の中心が東洋に移って…

高等小学国史新指導書下巻p304~

第五十六 明治天皇の崩御 大正天皇の即位 学習目的 明治天皇及び昭憲皇太后の崩御につきわからせ、御霊徳を偲び申し上げ、皇室に対する国民意識を喚起し、大正天皇の践祚と即位を学習して国体観念を強め、国運の無窮と国民の幸福を認識させる。 学習事項 (…

高等小学国史新指導書下巻p283~

第五十五 国運の進歩 学習目的 主として第四十九「文化の発達」以後、すなわち明治二十七八年頃以後における、明治時代の国防・経済・通信交通の機関・学芸・美術工芸・博愛慈善などの進展について学習し、当代がよく驚異的に文化の発展をしたことを認感させ…

高等小学国史新指導書下巻p271~

第五十四 韓国併合 学習目的 韓国を併合するに至った次第と意味及び併合後の施政についてわからせ、さらに対外関係のことから、世界的日本の国家的発展を中心として認知感得させるのが主眼である。 学習事項 (一)韓国の保護 韓国はとかく他国の圧迫を受け…

小学高等国史新指導書 下巻p255~

第五十三 明治三十七八年戦役 学習目的 明治三十七、八年戦役の始めから終わりにつき学習し、国家的発展の認識を中心として、道徳その他文化の総合的発展の事を暗示する。 学習事項 (一)ロシアとの交渉 北清事変も一段落となって、三十五年一月七日すでに…

高等小学国史新指導書下巻p246~

第五十二 北清事変と日英同盟 学習目的 北清事変の始めから終わりより、第一次日英同盟が締結される次第を学習し、我が国が東洋平和の中心であり、世界に重きをなすに至った国家的発展を主として、認知感得させたい。 学習事項 (一)諸外国は清国に利権を求…

高等小学国史新指導書下巻p242~

(4)韓国の成立 我が国と朝鮮とは明治二十七年八月二十六日攻守同盟を結んだことは前に述べた。その十月、内務大臣井上馨が特命全権公使として京城に駐在するに及び、施政綱領二十条を定め、諸般の改革を行わせ、朴永孝・徐光範などを内閣に入れ、邦人は多…

高等小学国史新指導書下巻p236~

(4)日・清・韓三国の交渉 ここにおいて清国は、東学党をすでに平らげる上は、日本の兵を撤回するのがよいことを求めた。我が国は禍根を絶つために、共に協力して朝鮮の弊制を改めるのがよいことを申し込んだが、清国は応じなかった。この上は我が国は独力…

高等小学国史新指導下巻p230~

第五十一 朝鮮の事変と明治二十七、八年戦役 学習目的 隣国朝鮮との事変から、ひいては明治二十七、八年戦役に至る次第と事実を学習させ、我が国の国家的発展について会得させ、併せて国家と国際の生活、文化と戦争などについて適切な考察を行わせる。 学習…

高等小学国史新指導書下巻p223~

p223 第五十 条約改正と法典の編纂 学習目的 明治三十二年改正条約が実施されるに至った次第と、その頃の法典編纂の進捗についてわからせ、内地外交上の顕著な発展を認知感得させるのである。 学習事項 (一)条約改正に努む 安政五年(二五一八)に条約の草…

高等小学国史新指導書 下巻p216~

(四)新しい文学・芸術起こる 明治初年の文学はただ江戸時代の余勢を保っただけで、いまだ新興文学を見ることは出来なかった。仮名垣魯文の「西洋膝栗毛」はやや有名ではあるが、これは構想を東海道中膝栗毛にとって、弥次郎兵衛・喜多ハの両人が、横浜の豪…

高等小学国史新指導書 下巻p208~

p208 第四十九 文化の発達 学習目的 維新以来の経済界・宗教界・教育界・芸術界の進歩発展の次第をわからせ、洋風輸入と国粋保存の関係的変遷につき会得させ、日本独自文化の建設について暗示を与えるのである。 学習事項 (一)経済界の進歩 明治のはじめ市…

高等小学国史新指導書 下巻p200~

p200(四)内閣の制度をはじめる 明治十五年三月天皇は伊藤博文を召され、憲法調査のため欧州派遣の詔を下されたので、博文は西園寺公望・伊藤己代治・平田東助・岩倉具定・河島醇・三好退蔵・山崎道胤・広橋賢光・吉田正春・相良頼紹・戸田氏共らを伴って、…

高等小学国史新指導書 下巻p199

p199(三)議会開設の勅を下しなさる こうしていっぱんの政治思想が進んだことにより、国会開設の準備は次第に急がれた。すなわち明治十三年十二月元老院は憲法草案を仕上げて天皇に奉呈した。しかしこれは多少英国流になり過ぎているというので、伊藤博文が…

高等小学国史の新指導書 下巻p195~

p195 第四十八 立憲政体の確立 学習目的 明治天皇はあまねく人材を挙げ、世論をとる大方針を御誓文に示しなさり、以来内治が整うにつれて、一般の政治思想も次第に進んだので、帝国憲法・皇室典範は発布され、帝国議会も開かれて短日月の間に立憲政体の擁立…

高等小学国史の指導書下巻p188

(五)新旧思想の衝突 米人スコット氏は師範学校の教師となる。ダビッド・モーレーは文部省に教育制度を制定する。教科書は米国翻訳になる。食物にしても牛肉を食うこととなる。豚肉は少し遅れて食われる。パンの食用は牛肉と相前後し西洋料理は行われる。牛…

高等小学国史の指導書下巻p186~

p186(四)社会の面目一新す 維新のはじめは東京・大阪間毎月十八回の飛脚が往復したのであったが、明治三年十二月には東海道十二藩六県に郵便箱・切手売捌所を設け、四年になると新式郵便制度をはじめ出した。六年十一月から郵便はがきを発行し、八年一月か…

『高等小学国史新指導書』下巻p184

p184(三)もろもろの制度改革される 大使が欧米に派遣されるや、数多の留学生が伴われていき、数人の少女もこれに交じった。すなわち黒田清隆の主唱によって婦人の海外留学を見るに至り、この時に後の大山内大臣夫人捨松(当時十三歳で山川建次郎氏令妹)瓜…

『高等小学国史新指導書』下巻

大松庄太郎 著『高等小学国史新指導書』下巻,東洋図書,昭和8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1447774 (参照 2024-10-07)