『『国際秘密力とフリー・メーソンリー』解説 : 敵国政府の背後を暴露す』国際政経学会調査部編(前編)

はしがき

国際秘密力とは、ユダヤ人の勢力をいうのである。現に、世界はユダヤ人の力によって多分に動かされているのであるが大衆はこの力をはっきり認識していないのである。秘密力と言われる理由もそこにある。ユダヤ人はその国土を追われて以来、各地に四散し、各国に侵入して一つの勢力を作ったが、各国にいる同族は、国境を越えて団結して活躍しているのである。国際秘密力と言われる理由もそこである。
現に、世界人類の運命は、国際秘密力の暗躍に動かされている点が多く、我らの敵国米・英もこの国際秘密力に左右されているのである。我らがこの国際秘密力と国際秘密結社フリー・メーソンリーの全貌をはっきり認識することは、敵国の動きと敵国の目標を知ることである。言い換えると、我らが執るべき道を知ることである。
敵国米・英が国際秘密力に左右されていることが解かった時、次に我らとして是非心得ておくべきことは、日本人も長い間米・英のーーすなわちユダヤのーー生活様式と思想とを採り入れることを文明の最大要件として来たことである。我らの考え方と生活とがユダヤなるものに征服されていた事実を我らは否むことができないのである。我らの頭と生活とが敵の背後の力に征服されたままで、我らは敵と相対したとすれば完全に戦い抜くことができるだろうか。これは疑わしいのである。
本小冊子が解説しようとする所のものは、国際秘密力ユダヤと国際秘密結社フリー・メーソンリーとである。
昭和十八年一月十六日から東京・銀座・松屋の階上で開催される毎日新聞社主催の『国際秘密力とフリー・メーソン展覧会』は、特に○○方面にあったフリー・メーソンリーの実物見本、ユダヤに関する各種の写真、参考品などが陳列してある点、一般の啓蒙のために意義深い催しである。国際秘密力に関する認識の益 深まり行くこと、喜ばしく感じる次第である。

 

標語

「今次の戦いは虚偽と真実との戦だ」

「今次の大戦は国家の生存を危うくする外来悪思想を打倒し、本来の日本に帰するための戦いである」

 

外来悪思想とは何か?

ーーユダヤ唯物思想である。

 

唯物思想について
唯物論とは、存在するものはすべて物質であるとし、物質の弁証的発展に従って、自然・社会・思惟など一切が形成されるという説である。すなわち、物質が宇宙の現象を、また人の心を支配するという思想である。心がすべてを支配するのでなく、我々の心も脳髄という物質に支配され、また外界の物質的条件に支配されるというのである。ユダヤマルクス共産主義の哲学的基礎となったのは、この唯物論であり、社会・経済・政治その他一切に関するマルクス主義を形成する方法論である。唯物的世界観もここから出発するのである。
唯物的世界観というのは、この世界がバラバラな互いになんの連絡もない物質の偶然的集合によって成り立っている存在であって、そこに我々を進歩に導いている一糸乱れぬ目的意思とか統一的知性とかを認めない世界観である。それゆえに、この世界に生存する人間も要するに偶然に生まれて、偶然にいろいろな事件に出会い、苦しみ悩み、そしてまた偶然に破壊されて、なんの意味もなく滅んでいくと考えるのである。この観方によると、人生に意義などなく、日本人としての意義などもなく、意義ある生活などいうものもなくなるのである。こうして、生きる希望がなくなり、生きるにしても無目的な、生き甲斐のない、暗中模索的な生活となって来るのである。個人主義とか、自暴自棄的なデカダン生活はここから生まれるのである。
日本人は本来唯物主義ではなく、物心一如に立つ。もっと掘り下げてみると、日本人の観方は完全な唯神論である。日本人は神一元の実在を信じているのである。この意味から、神そのものは自由自在で、物質的不自由性はなく、その神だけが実在であるなら、唯物論者の説とは反対に、物質はないと言わなければならない。現れる物質なるものを否定した上で、その奥なる実在である神を肯定するのが、『神の国』日本の人々の信仰である。
唯物論は、日本では、外国からの輸入物であり、それは日本を破壊しようとするユダヤの計画した陰謀である。だから、医学でも、政治学でも、経済学でも、唯物論に立脚する限り、ユダヤ的なもので、すべて日本国民の知性を低下させ、日本国体を破綻に瀕させようとしているのである。
実例を挙げれば、我々の眼前に幾多の生きた事件があるが、限定された頁で枚挙することは不可能であるから、本会(国際政経学会)発行の『猶太研究』に譲ることにする。
日本神国の国体明徴のためにも、我らは唯物主義を脱却しなければならない。物の世界を一度は我らの心で否定し、さらに神一元の実在を観じた上で、我らは、天孫降臨の神聖さを知り、日本国体の尊厳を認識すべきである。

 

ユダヤ教

ユダヤ民族の二千数百年にわたる破壊工作は何を目的としているのであるか。これに対する答えは簡単である。それは『ユダヤ人の世界制覇』である。
昔、彼らの祖先モーゼは、シナイ山で愛と正義との約束の十戒を神から受けた。それは次のものである。
一、唯一の神エホバの他の神を崇拝してはならない。
二、聖日を記憶せよ。
三、六日間働け。
四、七日目の聖日は休め。神は六日を費やして世界の万物を造り、七日目に休みなさった。
五、殺すなかれ。
六、盗むなかれ。
七、嘘言するなかれ。
八、汝の父と母を尊敬せよ。
九、他の物を欲するなかれ。
十、姦するなかれ。
モーゼの十戒は以上のようなものであったが、彼の子孫ユダヤ人は今日モーゼの十戒の教える所を遵守しているのであろうか。もし、十戒が教える所をそのまま彼らが行うならば、ユダヤ人の問題は現在我らの前に現れている姿で存在はしないはずである。
彼らには、彼らの生活、政治、経済の指導者であるユダヤ教の教義を示すタルムード(経典)がある。これは他民族に対する憎悪、残虐、略奪などあらゆる害悪を教えるものと言うことができる。我らは、ユダヤ人の各種の活動を研究するに当たって、タルムードとユダヤ教とを研究しなければならない。
我らはユダヤ人の罪悪がいかにして生じたか、また彼らの悪徳が人種的特性の中にどのような地位を占めるか、何がユダヤ人に各国において反逆をあえてさせ、他民族に対して永遠の闘争を続けるのに至らせたかを知らなければならない。
ユダヤの宗教を知ることによって、我らは彼らが二千数百年の久しきにわたり続けて来た世界的陰謀について理解する鍵を握ることになるのである。

 

ユダヤ教の教義

タルムードは、ユダヤ人がいかに非ユダヤ人を憎悪の的にしているかを示し、また、これはユダヤは神から生まれたが、その他の民族は悪魔から生まれたという彼らの信念を吐露しているのである。タルムードは次のような言葉にみたされている。
ユダヤ人のみが人間と呼ばれるのであって、非ユダヤ人は人間とは呼ばれず、動物と呼ばれる。」
「神から生まれ出た者はユダヤ人のみであって、ユダヤ人以外の民族は悪魔の子である。」
「人間が動物よりも高等であるように、ユダヤ人は人間よりも高等である。もしこの世にユダヤ人がいなかったならば、いかなる幸福も、輝く太陽も、風雨もなく、また人類も到底生存することはできないのである。」
「エホバは非ユダヤ人を憎みなさるほどロバや犬を憎みなさらない。」
「非ユダヤ人の財産を管理することはユダヤ人の権利である。また非ユダヤ人を殺生する権利も持っている。」
「非ユダヤ人は姦淫によって生まれたものであり、皆キリストの弟子であるから、彼らは殺されるべきである。」
「互いに愛せよ。略奪を愛せよ。放縦を愛せよ。そうして汝の主人を憎み、決して真理を語るなかれ。」
「密告者はどんな場所において殺害するも差し支えなし。」
「戦争に行く時には先頭に立たず、最後に行け。これは、最初に帰還することができるようにのためである。時が微笑する者に結びつくはずだ。団体が長を選ぶ場合には、蛆虫で一杯になった袋を背負った者を選べ。そして彼が命令に従順でなくなる時には、ただちに『背中を見よ』と言え。」

 

ユダヤ問題とは何ぞや

ユダヤ問題とは何ぞや。すなわちユダヤ民族の行動の根拠をつくる思想は、他民族国家を解体させてユダヤ民族の支配下に帰属させようとすることにあるのであって、その思想と工作が他民族国家の生存と全く相反する立場に立つ所の深刻にして複雑な問題なのである。
この民族は自ら国土を持たないで世界各国を宿借国として、その国籍は持つけれども、絶対的に不同化主義を原則として同族の結束と相互扶助の下に世界横断的な民族国家を組織している国際的な存在であって、従って国土なく武器なきこの民族の懐抱する世界支配に対する手段は、世界各国家に「金」を中心として動く国家機構を採用させ、そうして自らは世界団結の力を活用して金権を握り、他民族を金権の下に叩頭させるためにあるのであるが、実はこの金権支配の組織は、他民族国家を窮乏させる所に狙いがあるのであって、そこに生じる無産大衆に対して、これに革命理論を与えて動員し、労働団体を組織して、それにこの大衆の力を結集させてその支配実権を獲得し、金権支配と革命支配破壊の元綱を握り、さらに国際的秘密結社フリー・メーソンリーを活用し、その表裏の作用によって他民族国家を窮乏と破壊の下に解体させてユダヤ支配の下に置こうとするのである。
米国の自動車王ヘンリー・フォードは「ユダヤ問題とは財政および商工業の支配、政権の独占、あらゆる生活必需品の独占、及び言論機関を意のままに操縦することを指すのであるが、それよりも問題の核心は全アメリカ人の死活に関する所にある。」と。その著「国際ユダヤ人」の中で述べているが、この全アメリカ人の死活という言葉が全世界の各民族国家の死活をも意味している事は、この著書全編の内容が訴えている所である。フォードはこのユダヤ人の独占支配作用に対して、「彼らは富(資本)の集積そのものが必ずしも目的ではなく、実に世界支配を目指しているのである。」と言い、その世界支配なるものは「全世界の非ユダヤ人の国家をことごとく破壊する」所に建設されるものであって、現にその過程にある事を幾多の事実の上から論じているのである。そうしてその他民族国家破壊の手段として、国際的資本主義と共に国際的共産主義が同じくユダヤ民族によって表裏に活用されている姿を具体的に述べて曰く、「何人といえども到る所、社会的及び経済的に破壊作用を営む分子が、ユダヤ人の関係によって指導されており、かつユダヤ人から資金が貢がれている事をあえて否定する者はいまい。」と極めて大胆率直に論断しているのである。
今次の欧州大戦開始後フランスが脆くもドイツの電撃の下につぶれ去って、その廃墟の中から立って上がったペタン政権の樹立の日、すなわち一九四〇年七月十一日ペタンは何と言ったか。曰く「フランスを堕落させて惨敗させた者はフランス人の勤労を食い物とした国際的資本主義と国際的社会主義共産主義)であった。この両者は表面互いに抗争の風を装いながら裏面において互いに提携していたのである」と悲痛な言を吐いている。この両者がユダヤ力の支配範疇のものである事は言うまでもないが、第一次世界大戦において惨敗したドイツの識者が戦後の敗因研究から発見したものは、同じくユダヤ力によって動かされた資本主義と共産主義の並用によるドイツ破壊工作であったのである。
このようにユダヤ問題すなわちユダヤ民族の世界支配に対する思想や行動が、ユダヤ以外の各民族国家の生存とは根本的に相反する存在である事は明瞭に実証されるのであって、この点についてユダヤは従来彼らが独占する言論機関によって、あるいは否定し、あるいは歪曲し、隠蔽してきたのであるが、時には堂々とそれを告白する者もいるのである。例えばユダヤ人著述家ルネ、グロース曰く「あらゆる国民と国家に対するユダヤ人の陰謀がある。それはユダヤ人の策動による革命とユダヤ財閥の資本的強圧という二重の攻撃である。」また、ユダヤの民族運動であるシオン団の統率者であるワイズマンが、一九二一年九月カールスバズで開かれたシオニストの首脳者会議で、「近い将来において、ユダヤ民族の運動は世界における最大な問題として取り扱われるであろう。何故なれば、ユダヤ民族運動の勢力は世界を統一して人類支配権を確保するか、あるいはまた反対に全世界を撹乱して、社会を微塵に破壊するか、いずれにしても世界の人類社会を根本的に転換させる一大勢力であるからである。」と言っている。このようにこの民族は世界支配権を獲得するかあるいは世界を破壊するかの二筋道を往来しているが、しかし不可思議な現象は、彼らが世界流浪二千年の今日までの歴史においては、ほとんど他民族国家の破壊に成功した事実だけで、彼らの理想する世界支配の実現は、なかなか困難な課題として、彼らの前途に横たわっているのである。時には支配実権が握られたような時もあるが、そういう時には必ず他民族の復讐が起こって国外追放をされたり、虐殺されたりしている。米国のウィリアム・ハミルトンの研究によれば、西紀二十年から一七四五年までに、この民族の国外追放五十一回、虐殺十三回を挙げている。

それなのに欧米の他民族もまたユダヤ民族に不断に復讐されて、興亡常なき原因は果たしてどこにあるかと言えば、一つはユダヤ問題の真相が、彼らの巧妙な偽装作用によって不明であった事にもよるが、それよりもユダヤ工作なるものが人間の持つ自己本位の利欲性を利用して、それを根幹とした社会に世界人を立たせ、世界人もまたそれが真の社会と誤認させられた所に最大原因があるのである。そしてユダヤは裏で金権の元綱を握って世界を金で動く組織にしてこれを支配してきたのである。世界に自己本位と唯物思想に立たせた事はすなわち、人間を神から切り離して地上に落とす事に成功した事を意味するのである。換言すれば天理自然の法則に立つ事を捨てさせて、非自然の人為的に置いたのである。人間が唯物的な立場に立てば、ひたすら金銭と利欲を追う事になる結果は、道義が利害によって歪曲されることとなり、さらに事物に対する観察においてはユダヤ人が独占する言論機関から与える理論(ユダヤは物の動きに対して必ず理論と法則を与える)と、現象(ユダヤの言論戦術は、捏造、歪曲、解説、打診、両建、予告の交互の作用を為す)によって、一切を判断する事となる。その結果は国家が疲弊と弱体に陥り、そして他民族が困窮する後ろで、ユダヤ人は冷たい悪魔的な笑いを浮かべているのである。
ユダヤ問題の本質はほぼこの通り。世界人はこの迷夢から速く醒めて、改めて天理自然の道に帰らなければならない。

 

ユダヤの両建政策

ユダヤの世界征服手段にも、一定の癖がある。彼らの癖は、いわゆる両建主義である。反対と賛成と、否定と肯定と、親善と排斥との両建主義の実行によって、巧みに耳目を欺き、敵の裏をかくという特殊な型を用いているのである。彼らはこのようにして資本主義と革命主義とを、両建的に実行する事ができる。彼らは守るべき祖国を持たない。その祖国を持たないということが、このような両建主義の実行を大いに可能であるとさせている。彼らの生活は単に他国を利用するためにあったのだから、彼らのいわゆる自国も、本質的には他国に他ならないというのであるから、彼らの責任をその国に感じないのである。責任を感じないから、その両建が自由にこなせるのである。彼らは国を失ってから二千年も流浪しながら、今なお著しい特色を保つことができているというのは、その宗教関係を離れて言えば、その守るべき国を持たないということ、それ自身が彼らに現に在るかのように在りさせているということができるのである。彼らがもし国家を造っていたならば、彼らの国家がその滅亡前の歴史において甚だ悲惨なものであったと同様に、必ずやその悲惨を繰り返しているのであろうと想像できる。彼らの両建主義は彼らの勢力を今日のように増大にさせることに少なからず関わっているが、彼らにおいてもし名実共に、責仕の地位を占めることになったならば、彼らはまた得意の両建主義を従前の通りに効果を収めることができないはずである。例えば国際連盟ユダヤ人の利益のために、ユダヤ人が中心となって、全世界の政治を操って造り上げたものである。その連盟の正体がこのように暴露されてからというものは、いかに両建主義の手腕家といえども、施すという術がないのである。

 

ユダヤ人の手法

ユダヤ人は、その得意の両建主義の使い分けによって、どんな風なやり方をするかというと、これにも一定の癖がある。彼らは、その倒そうとする、破ろうとする、弱めようとする国々に対しては、その国々の事情に応じて、その国々の内部に、分裂を導き、不和を起こし、喧嘩を発生させることを目的として直接もしくは間接的に働きかけるのである。あえて働きかけないまでも、思想の動きを、このような方向に導くのである。その機会はいくらでもある。あるいは社会の上流と下層とを背反させる。政府と民間とを対立させる。資本と労働とを反目させる。という風に、思想を一方に傾かせることを主とするのである。いわゆる和をもって貴しとなす。人生は調和である。最後は和合である。この最後の和合を無視して争闘のための争闘を吹聴して、思想を変更させることは、ユダヤ得意の手段である。ユダヤは蔭になり日向になって、常に一方的宣伝に力点を置いている。例えば自由主義といい、統制主義というようなものは、すなわちそれである。人生の真の必要は、その自由と統制との適度な調和に在ったのであって、その一方的偏向に在るのではないのであるが、それでは話がはずまない。人間の好奇心に投じない。人間はある場合には、極端を喜ぶものであり、誇張を好むものであり、例えば一方に偏向した経済上の労働価値説のようなものを真面目ぶってさかんに説明すると、自然と論争がわいて一種の人気を呼ぶに至ることもある。ユダヤの宣伝法は、いつもこの流儀であり、その流儀によって、例えば反宗教とか、唯物論とかいうような極端な、一方的宣伝をいろいろ手を変えて行っている。ユダヤ人の手法はいくつかに分けて、説明することができる。

 

金権掌握
ユダヤ人はその狙った個々に対して、それぞれその国の事情に応じて、国内不和の原因を探しだすか、あるいは種まきなどをして、次第にこれを増長させ、その内部の分裂の機会を、自然にもしくは不自然に誘導することをほとんど定まった型のように採用していたのであるが、彼ら自身の力の淵源は、何であるかというと、ーー金力である。彼らは力の信者である。とりわけ金力の信者である。ユダヤ人と金力との関係は、取り立てて言うまでもなく一般に知られているが、彼らが、世界最大の金力を擁するに至ったことは、一面においてはもとより彼らの成功であり、他の一面において彼らの失敗の原因も、どうやら、ここに横たわっているように、想像されることができる。ユダヤの金権主義は、ある意味において彼らの宗教に根差すものであり、他の意味において歴史関係の影響である。彼らは彼ら自分が、全世界の金銀財宝の主人公となれるように彼らの偽りの神に祈りを捧げてきたのも事実であるが、彼らが歴史的に、久しい間金銀貨幣の売買も、高利貸しの営業だけにその活動を制限されていたのも、事実である。彼らはこうして、経済活動の新しいある形態の率先者となることもできたのである。彼らは世界金融事業の先達であり、覇者であり、無類の成功者である。彼らは、このように昔から金権を狙っているのであり、そして成功しているのである。しかしながら、金権が彼らを苦しめてもいるのである。

 

言論、宣伝、出版界への進出

次には言論機関である。金力によって言論界に進出すると共に、言論機関によってさらに金力の延長を図るという相互関係は、ユダヤの努力を加速度的に増大しているのである。近代ユダヤ運動の先達がその仲間を激励した有名な言葉として伝えられているものに言う、ーーお前どもは、何事をしきりと語り合っているのだ。お前どもは、全世界の新聞を手に入れてしまうまでは、決して気の利いたことができないのだ。これを手に入れてしまえば、一切の計画は自然に実行が出来るということを断じて忘れるべきではないと。ヨセフ・エベルレの『大勢力の新聞紙』は、新聞と資本主義の関係を論じ、新聞とユダヤ人との関係を説明した有名な述作であるが、いかにユダヤ人が新聞に勢力を張り、その新聞を、いかに彼ら自身の目的のために、特殊な運動を進めるがために活用しているかということを百頁からにわたって闡明している。彼らは、彼らの手に入れた新聞そのものの営業化によって、いかに自由主義社会主義を吹聴し、いわゆる現状打破の叫びを機会あるごとに宣伝して、白を黒に、円を四角に、善を悪に、物質を精神の上にという風に、価値の転倒を試みて、時代思想の混乱を志している彼らは西洋の社会において、その大敵としてのキリスト教と教会とを破壊するがために、この新聞の勢力を最も猛烈に利用しているのである。
新聞は、時代の思想を左右することができる。人間の名誉を支配することが出来る。経済的には投機を自由に動揺させることが出来る。新聞紙の効力を自覚したユダヤ人は、新聞と不可分の関係にある通信機関、通信機関と密接な交通機関、その他各種の宣伝、出版機関、映画劇場等々を隈なく支配することを企てたのは、ちっとも不思議がないのである。
今日はある意味において新聞の時代である。世界の形成を知り、国内の事情に通じ、人気の変動を認め、事故の突発を覚り、あるものを感じ、他のことを心得、為すべきと為さないべきとの限界を常識的に判断するという仲立ちをするものは実に新聞紙である。新聞には多くの弱点があり、不備があり、甚だしい危険を伴っているが、新聞そのものはすでに近代生活の一部を成しているのであるから、現代人は最早、新聞を離れて生活することは出来ないのである。現代人は新聞が何かの機会に、一斉に休刊となったときには一種の闇黒を感じる。この意味において、新聞は社会の光であるということも出来るのである。
世界の征服を志しているユダヤ人が、この新聞の時代において、新聞の征服に狙いを定めて、着々と効果を収めているのだからこの新聞に関係したほとんど一切の事業においても、同様に効果を収めているのは、怪しむに足らないのである。新聞を完全に支配したということは、独り積極的に宣伝上の効果を期待するに足りるというだけでなく、消極的にある事、ある物、ある人を、任意に否定し、故意に歪曲し、平然として黙殺することもできるのである。簡言すれば、新聞の支配は、一種の生殺自在の権力を産生させるのである。

 

新聞の商業化
新聞の商業化という現象はユダヤ人の仕事として十八世紀の末から十九世紀の初頭にかけてはじまって来たのであるが、その結果として新聞は二重の役目を演じることになり、新聞的政治的要素であると同時に一種の商品と化したのであるが、この事情は新聞を使って諸国民を結合する力としての位置から転落させて、人類の災厄物にまで下落させるに至ったのである。
近代新聞の動向を規定するのは報道と広告との二つである。そしてこの二つの入り口から、あの恐るべきユダヤ及びフリー・メーソンの秘密力が「言論の自由」なる仮面を被って侵入して来て、世界新聞界を今日のような精神的ならびに道徳的危機に追い込むに至ったのである。前世紀の中葉において広告税と公用広告機関が撤廃された結果として、ほとんど全ての国において政治新聞に広告を載せることができるようになったし、したがって国民の商業的関心と、精神的政治的要求とを新聞によって結合しようという傾向が著しくなってきた。また広告依頼者の信用を得るために読者層を増大しようとしてあらゆる手段が講じられ、新聞の購読料は印刷代以下に引き下げられるに至った。千八百三十六年七月一日フランス人ジラルダンは「ラ・ブレス」紙を発刊したが、その購読料はその当時の相場の半値であった。では、こうして出て来る欠損がいかにして埋められるかと言うと、それは広告をふやす他に道はないのである。
ジェームス・ゴルドン・ベネットは千八百三十五年に米国において「ニューヨークヘラルド」紙を創刊したが、彼はそれをただの一セントで買った。しかし実際には、一部三セントないし四セントかかっていたのである。英国では千八百五十五年に、新聞税と広告税との撤廃後の事、ヨーゼフ・モーゼス・レヴィが最初の「一ペニー新聞」であるロンドン「デイリー・テレグラフ」を発刊したが、他方ウィーン市でもすでに千八百四十八年にアウグスト・ツァングが「デイ・プレッセ」紙を発刊して、ジラルダンの例にならって、相場の半値で売った。
以後新聞の読者は印刷用紙代だけも支払っていないことになり、従って文字通りの不払所得として贈られる通信や報道の部分はユダヤ人が、新聞を支えてくれるのでなければ、広告代によって経済的に補填される他に道はないのであった。

 

新聞の買収

こうしてしまいには色々な方面から買収の可能性が生じてきたが、これはかの国際ユダヤ人及びその支配下にあるフリー・メーソン結社にとっては誠におあつらえ向きの活躍舞台であった。
ユダヤ人の破壊力が新聞に侵入した第二の門は近代の通信機関の発展である。新聞が資本主義に従属するに至ったがために世論もまた金力で動かされることができるものとなり、通信組織は濫用されて、新聞のデマ記事が国民生活の中に食い入るようになった。現代における世界通信網の歴史を辿って見る時、我々は驚くべき連絡と組織とに当面するのである。
現代の通信機関の起源はかのユダヤ人の取引所であるから、現代に組織化された虚報通達による新聞の悪用というものは全てユダヤ人の商売根性が発現したものである。現代に通信組織は、自分に都合のよい通知によって競争者や顧客からできるだけ物質的な利益を搾取しようとする商業本位のユダヤ人の手に握られている実験台である。その好例を挙げれば、ロンドンのユダヤ人ネイサン・ロスチャイルドのあの歴史的な「ワーテルローの勝利」である。彼は正に現代新聞虚報の父である。彼の父でフランクフルトにいたマイエル・アムシェル・ロートシルトもまた相当の腕前があったらしく、郵便局を買収して取引上の敵の手紙を密かに手に入れ、それを儲け仕事に利用したそうであるから、その息子ネイサンのやり方はつまり父親のやり方を現代化したに過ぎないと言えないことはない。とにかくネイサンは伝書鳩郵便を使ったり、船長や旅行者を手数料で買収して色々な報道を集めるのに役立てた。そしてこの世界中から集まった報知を勝手に利用したり、秘密にしたり、ほのめかしたりして、とにかく彼の取引事業に都合よいように細工したのであった。彼の「ワーテルローの勝利」もまたその一例であった。彼はいち早く誰も知らないうちにワーテルローの決戦の結果を知っていて、ちょうどロンドンではいまだ一般に半信半疑でいたのを奇貨として、英国及びプロシアがナポレオンに敗戦したとの虚報を伝えた。相場はガタガタ落ちた。ロートシルトは仲買人を使って出来るだけ株を買い込ませたので、ワーテルロー戦勝の正しい報知がロンドンに到着した時には、彼はもう巨大な金を設けていたのであった。

 

虚報の勝利

ユダヤ的資本主義的貪欲に奉仕する新聞虚報は世界通信組網を握っている政治的電線工夫の手にかかるとたちまち諸国民の平和を脅かすものに化す。最近百年間にわたって戦時平時共に世界通信界を牛耳っているヨーロッパの通信社はほとんど皆ユダヤ人の創立である。まず大きいところでアヴァス通信社は千八百三十五年にルイ・アヴァスの創立に関わるが、その父はポルトガルからフランスに移住した人である。彼は千八百三十二年にドイツ系ユダヤ人ベルンシュタインの「色刷通信」紙を買い取って、これを改組した。彼には二人の共働者ベルンハルト・ヴォルフとヨザファト・ペールとがいたが、この両ユダヤ人は千八百四十八年にアヴァス社を去って、ヴォルフの方はベルリンに自分の通信社を開き、カッセル出のユダヤ僧の子であるベールの方は五十年代に英国に渡り、ロイテルと改称し英国の大通信社となった。
このユダヤ系通信社は数十年以来、全欧州新聞通信界を支配しているだけではなくて、ほとんど全世界の報道陣を占領している。ドイツも戦前においてはいうまでもなくこの三社独占からほとんど逃れることができず、ドイツ系の通信社がわずかに北方諸国を通信で繋いでいる間に、アヴァスやロイテルは全世界を分割して支配していたのであった。

 

政治家を利用する

第三には政治家の利用である。いかにユダヤ人が、金権を擁し、言論機関を支配し、通信、宣伝、出版等々の実力を固めていても、ユダヤ人だけの実力と努力だけで、天下を事実上に動かすことは、なかなか出来ないのである。これにおいてか、彼らは政治家を利用することを工夫した。それならば、その政治家を、どのようにして利用するか。好んでユダヤ人に利用されるような、間の抜けた政治家は、そんなにいるものではないのだから、それには自ら別種の手段が必要になるのである。ユダヤ人は、政治家の弱点を掴んでその弱点を利用するのである。その弱点といえども、すでに暴露されたものは用をなさないのであるから、彼らはその手の中の新聞、通信などの方法によって、政治家の弱点を確かめると同時に、その政治家のために、これを覆い隠して、恩を売るのである。この手段によって、物になりそうな政治家が、ユダヤの網にかかってしまった後は、彼らは、さかんにその政治家を持ち上げて、世間に宣伝をして、権力を握らせることを目論むのである。
政治家の弱点も、二つの線を、沿って現れている。この弱点は弱点であるが、その性質は人間の弱点というものは、概括して、金の関係と女の関係との二つとするものであるが、欧米を通じて必ずしも同一ではなく、欧州大陸においては、金の関係が主になり、米国では反対に女の関係が主になるという。欧州では女のことは米国のように厳重でないから、金の問題が中心になり、米国では何人も金が中心となっており、かつ女の権力の強い社会であるから、自然に女の関係が問題となるのだということである。このようにして欧州政治家は、金の関係からユダヤ人に弱点を握られ、米国の政治家は、多くは女の問題で同様なことになったのだと言われている。ここに明確に、断定的に申し上げることの出来る一件は、欧州の大政治家には、ほとんど例外なしにユダヤ人の秘書もしくは秘書官がついているということである。政治家は金の入り用なものである。その金を供給する者はユダヤの富豪であり、財閥であるが、その代わりその政治家には、必ずユダヤ側から秘書もしくは秘書官がつくことになって、政治上、財政上の機密が、当然に、一番先にユダヤ側に利用されうることとなるのである。鉄血宰相とうたわれたビスマルクにさえ、ユダヤ人の秘書が、左右を離れなかった事実を見れば、この点には、最早、問題がないのである。ロイド・ジョージがいかにして、あの大戦当時に大英帝国の大宰相となるを得たのであるか。媾和会議を終わると同時に、ほとんど立ち消えに近いような政治的存在となるものであるか。ウィルソンも、その通り、その性格から、その閲歴事業からして、到底一学者に過ぎなかったはずの彼が、いかに速やかに米国上下の人気を一身に集めて、一時的に世界の大人物となることができたのであるか。曰く、民族自決。曰く、十四ヶ条。曰く、賠償、併合。曰く、国際連盟。曰く、パレスチナユダヤ建国。ユダヤ人に利用されるだけ、利用され尽くした後、単に人気のガタ落ちを演じるに過ぎなかった彼が政治家行動の裏に、いかにユダヤの勢力が、猛烈に動いていたかの事実は、今日では、まだ欧米政界の裏を読むことの出来る人々に対してのみ、辛うじて語ることができる主題である。

 

王宮ユダヤ戦術

自動車王ヘンリー・フォードは言った。
ユダヤ人が全力を注ぐのは、国王及び貴族などの信頼を得て、これをもって、政界の実験を握ることである。たとえ、大衆がユダヤ人に対して反感を抱くことがあっても、国王とその周囲がユダヤ人の味方である間は、ユダヤ人はなんらの痛痒も感じないのである。』
ユダヤ人は常に各国の政界の奥深く、できれば国王にまで近づこうとするのである。ウィルヘルム二世皇帝に対するバリンの関係を説明することにによってユダヤがどのようにして宮廷に潜入するかの一端を知ることができる。バリンは、ハンブルクアメリカ汽船会社の社長であったが、カイゼルに目をつけられ、ドイツ海運界発展のために顧問となった。こうしてカイゼルとバリン関係は密接となり、皇太子ですら普通電話で対談されるのに、バリンには皇帝と直通電話で連絡していたほどで、バリンの意見はすなわち皇帝の政策として実行された。バリンの意見は常にユダヤの利益を代表していた。このバリンと同時にドイツ電気事業界の大人物で純ユダヤのラテナウも皇帝を懐柔していた一人である。

 

米大統領の背後の力

驚くべきことは今日の米国はルーズヴェルトの就任以来世論の形成に対しユダヤ勢力が加わったことである。すなわち各省及び各官庁には至る所ユダヤ人によって協力に代表されている多くの情報部及び宣伝部があり、とりわけまた大部分ユダヤ人から成っているルーズヴェルトのいわゆるブレーン・トラストがある。それゆえにルーズヴェルトの政策は事実において、米国民の利益のためでなくしてユダヤ人の世界的地位の躍進にある。米国の参戦以来この全発展は著しく早いテンポで現れてきた。今やルーズヴェルトは欲するままに進むことができる。彼はすでに以前から実行しようとしていた米国民に対する統御力を持ったし、また彼のユダヤ人に牛耳られている政府機関が著しく目立って来た。
国会議員ハミルトン・フィッシュは、ブレーン・トラスト員レーモンド・モーレー教授、ガイ・タグウェル教授、モルデカイ・エゼキル教授、ウィリアム・バリットなどの連絡について発表した。
タグウェル教授は、社会主義者スチュアート・チェーズと共産主義者ローバト・グンなどと共同して『第二回十年計画下のソ連』を出版したことがあり、これら三人の学者は密接な関係を保っているのである。タグウェルの親友である社会主義者のスチュアート・チェーズは『新規蒔き直し(ニュー・ディール)』の著者であって、米国のソ連化を企図しているのである。タグウェルはかつて社会主義者の仲間として訓練されたことがあり、コロンビア大学の経済学の教授として、また社会党の機関誌「新共和」の寄稿家として素晴らしい活躍を続けてきたのである。彼は社会主義の著書を書き、共産主義の計画に協力を続けており、米国民もロシア国民も両者の性格に相違はなく、米国においてもソ連におけるのと同様に革命が実行できるという意見を持っていたのである。
ブレーン・トラスト員として次の重要な人物は、レーモンド教授である。同じくコロンビア大学に講座を持っており、ブレーン・トラスト員としては、大統領ルーズヴェルトの腰巾着として常に彼の側近にいるのである。すなわち、彼はタグウェルの右腕として、タグウェルの意図を受けてルーズヴェルトを動かしているのである。
米国農業大臣顧問、モルデカイ・エゼキル教授は、タグウェルの影として農業問題、農村問題については、彼はユダヤの計画を代表する者で、米国の農業政策は完全にユダヤの利益によって進められているのである。
国務卿の補佐として就任したウィリアム・パリットは、レーモンド・モーレー教授の最も親密な親友であり、共産主義者リンカン・ステフェンズの同志として、長年月をソ連で送り、レーニン、チチェーリンとリトヴィノフとも交渉があったのである。バリッドは一九三三年米国初代の駐ソ大使に任命されたが、彼の腰巾着として彼の影のようにそっているのが、共産党員のリンカン・ステフェンズである。ステフェンズは先に一九一七年のロシア革命の時代には、レーニントロツキーその他の革命指導者と共に赤ロシアに渡り、活躍したのである。当時、彼ら革命指導者が赤ロシアに入るに当たり、英米の政府はこれを援助したものである。また、現に、有力な革命指導者ステフェンズは、米国ブレーン・トラスト員バリッドと共に欧州にあり、欧州と米国との間の工作に従事しているのである。私はこのように見て来て、決して米とソとの間に国境を設けて考えないのである。その地底政府を考えた時、米国とソ連とは一つの国家と見るべきである。ユダヤ人は現在の米国を共産社会主義国に変形させる事に確信をもっている。
その他のユダヤ的人物で、ルーズヴェルトのブレーン・トラストとして活躍中の者(主な人物のみ。全部ユダヤ人)
ヘンリー・モルゲンソー(大蔵大臣)
バーナード・バラク(戦時中の米国経済界の帝王、兵器王)
バール(経済学専門家)
ジェッセ・アイシダ・ストラウス(駐フランス米大使)
モルデカイ・エゼキィル(農相の経済顧問)
ロジカ・シュナイダーマン(N・R・Aの女顧問)
ジェームズ・ビー・ワーブルグ(大蔵省顧問)
アイシダ・ルービン(商業省弁護士)
デヴィド・R・リリーンタル(土木省首席弁護士)
○ブレーン・トラスト員以外のユダヤ人で実際にルーズヴェルトを動かしつつある人物
ステフェン・ワイズ(ニューヨーク市ユダヤ教法師)
ラ・グァルディア(ニューヨーク市長)
ハーバド・レーマン(前ニューヨーク州知事)
ルビック(最高判官)
ブランディス(同)
英国のチャーチル政府も同じく、ユダヤ秘密力に取り巻かれているのであるが、紙面の都合で割愛した。『国際秘密力の研究』及び『ユダヤ研究』を参照されたい。

 

戦争吹聴と戦争誘発

革命と戦争とを最大限に利用したものはユダヤ人であるが、ユダヤ人が西欧州の社会において法律上対等な権利を獲得するという機運に恵まれたのはフランス国革命の結果である。すなわちフランス国においては、その革命と共に解放され、ドイツその他においては四十八年の革命によって解決されている。法律上の対等から社会上の対等から社会上の対等へは一歩の差だ。ユダヤ財閥の成功者はフランス革命以後、まずオーストリアにおいて貴族に列せられ、ついで英国においても同様に侯爵を授けられた議員になり、大学教授となり、大都市の市長に選挙されるという風に着々と勢力を得たのである。欧州大戦の結果としては、彼らが二千年来の熱望であったユダヤ国を新たに建設するという機会を得たというので、全世界の黄金の保有量の約八割までその金庫に貯蔵してしまった。彼らは、いつも、戦争の結果としてまるまると肥え太っているのである。彼らは精神的に守護すべき国家を持たないのであるからどんな戦争の場合でも、自由に大胆に巧みに禁制品を扱うことができるのであり、禁制品の売買によって目玉が飛び出るような暴利を貪ることが出来るのである。
戦後はさらに彼らのためにちょうど良い機運が自然に動いてくる各国共に、戦後には復興事業が盛んになるから、同時に各国とも国庫が窮乏を告げているから、国際の発行によってすなわちその割引と価格の吊り上げによって、巨利を博することができる。戦争は必然的に物価の変動を誘起し、通貨の膨張を発生し、物資の動きに激変を見せるものである。この場合において、常に最も有利の地位に立つものはユダヤ人であり、その国際的活動においてほとんど独占的な勢力をふるうのもまたユダヤ人である。
ユダヤ人はこのように常に戦争と革命とによってお高くとまって発展を遂げているのであるから、ユダヤ人が常に革命的であり戦争挑発的であるのも、彼らから観ればやむを得ない筋書きであるかもしれない。彼らは人間活動のほとんどどんな分野においても革命的であって革命を熱心に吹聴している。その革命がどんな種類であるかを問わず、その革命の成功とにかかわらず、革命の吹聴によって生活上思想上の動揺は常に彼らを利益しているのである。彼らはある場合には革命のために革命の宣伝のために、その工作のために相当に思いきった財力を投じるが、その革命運動の影響として、現実に発生した現実の動揺によって、彼ら自身の利益するものに比べると、この財力を投じたことなどは全く問題とならない。例えば、ユダヤ人が黒幕として、もしくは表面の主役として動いているソ連の革命工作の跡に就いて見るとソ連は、二十年間に主としてその革命主義の吹聴によって現に完全に外蒙と新疆を併せて支那を日本に噛み合わせることに成功したのである。ユダヤ人の革命吹聴と戦争挑発との性質がどんなものであるかは、これをもっても容易に類推することが出来るのである。

 

媾和会議の利用

革命と戦争とを常に利用することを怠らないユダヤ人は同様に媾和会議を利用してユダヤ人の便宜を図ることを決して忘れないのである。近代欧州の歴史においてユダヤ人がいかに巧妙に媾和会議を利用して成果を収めているかの実例はしばらくこれを第二として、現代の日本人にとって最も適切な山東還付の外交史の裏からの事実をここに挙げたいのである。日本の山東占領は大戦当時の英仏政府の保障によって完全にあるいは秘密に裏書きされていたのであるが、ワシントン会議の結果日本は無理矢理にこの山東の還付を実行させられたのである。その還付の理論的根拠は何であるかというとそれは支那の参戦である。支那が正式に大戦に参加したという事実である。その大戦に支那が正式に参加したということによって支那における対ドイツ戦争の勝利品は理論上支那に帰すべきであるという理論が根底をなして、日本は山東廃棄を余儀なくされたのである。もし支那が欧州大戦に参加することにならなかったならば、このような理由ははじめから立たないのであるから、山東の運命と形勢とは大いに今日と異なっていたであろうという想像がつく。それならば支那の参戦はどんな経路によって事実となったかと研究を進めて見ると、この参戦は支那の記録では梁啓超がその主張者となっているし、米国の記録ではウィルソンが支那政府へ勧誘したものとなっている。そこでユダヤ人が出てくるのである。当時の大統領ウィルソンの取り巻きは、現大統領ルーズヴェルトの取り巻きと同時にユダヤ人であり、当時の支那政府の外交顧問もまたユダヤ人であり、支那の外交主役顧維鈞の顧問はユダヤ人のポール・ラインシュであり、王正廷自身は有名な秘密結社マソン団の正団員だというのだから、そのユダヤ関係は問題となるのである。ユダヤ人の媾話会議利用は全く伝統的なものである。『戦争は、その参加の時よりも、媾和の際に特別に注意せよ。戦争の真の勝敗は媾和会議において決定されるものである』といういわゆるユダヤ学の奥義書『タルムード』の教訓はユダヤ人が以前から銘記しているところであり、ユダヤ人は機会がある毎にこれを実行しているのである。一例を言えばクリミア戦争とイタリア参加との関係である。当時カブールはイタリア独立のために焦っていたが、その秘書のユダヤ人の意見に従って英仏連合軍に参加することとなり、媾和会議を利用すると共に時の大勢力者ナポレオン三世の援助の下についにそのイタリア独立の偉業を成就することになったという事蹟がある。

各種の破壊工作

ユダヤ人の世界征服はその金権優越を基本の条件とするものであるから、金力以上の制裁力はこれを根絶する必要があり、これを根絶するには思想力を利用する必要があり、その思想力の利用のために彼らは社会主義無政府主義、及び共産主義を縦横無尽に宣伝してきているのである。彼らの人生観は人間性の悪である。少なくとも人間の悪を仮定してその上で一切の工作を進めているのである。彼らは大多数の人間は馬鹿な者、愚鈍な者、劣等な者、野卑な者、容易に堕落する者、無造作に手玉にとることができる者、利をもって誘い、力をもっておどし、欺くのに道をもってしたならばある程度までどうにでもなるものであるというのが異民族に対する彼らの思想の根底をなしているようである。彼らはこうして人間の性的堕落に導くような映画を自由に造ることが出来るのである。知らず覚えずの間に子女を不幸に陥れることができるような、例えばブリュムの『幸福なる結婚』のようなものを公にすることができるのである。信仰上、国家上、家族上の権威の失墜を狙って自由主義を宣伝し、唯物論を吹聴することが出来るのである。一切の堕落促進の手段、主客転位、価値転倒の説をほしいままに主張することが出来るのである。その破壊工作の最も有力な、最も緊密な、最も徹底した全世界的組織としての秘密結社のマソン団が、ユダヤ支配の下でどのようにして活躍しているかの話は事があまりに重大であり内容が甚だ複雑であるがために、遺憾ながらここにこれを記すことを止める。

 

国際政経学会調査部 編『『国際秘密力とフリー・メーソンリー』解説 : 敵国政府の背後を暴露す』,日本文化協会,昭和18. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1437763